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「ガソリンを入れっぱなしにするとどうなる? 劣化の症状・保存期間・ハイブリッド車やPHEVの注意点を徹底解説」2025.09.02

「最後に給油したのいつだっけ?」――ガソリンスタンドに行く頻度が減ったドライバーの方なら、一度はこう思ったことがあるのではないでしょうか。

特にハイブリッド車やPHEV(プラグインハイブリッド車)を所有している方は、燃費が良すぎるあまり、給油の間隔が長くなりがちです。その結果、気づけばタンクの中にガソリンを“入れっぱなし”の状態にしてしまうことも珍しくありません。

しかし、この「ガソリン入れっぱなし」、実は車にとってあまり良くないことをご存知でしょうか?
本記事では、ガソリンを長期間入れっぱなしにしておくとどうなるのか、そして劣化の症状や保存期間の目安、さらにハイブリッド車やPHEV特有の注意点と対策方法について、徹底的に解説していきます。


ガソリンは「生もの」だった! ― 劣化する燃料の正体

まず押さえておきたいのは、ガソリンには明確な使用期限が存在しないが、時間とともに確実に劣化するという点です。

食品に賞味期限があるように、ガソリンにも“鮮度”があります。

業界団体や石油元売り会社の見解によれば:

  • 灯油・軽油は、冷暗所で密閉保存しても推奨使用期限は 6か月程度
  • ガソリンはさらに揮発性が高く不安定なため、3か月程度が目安

つまり、「半年以上タンクに入れっぱなしにしたガソリンは安全ではない」と考えるべきなのです。


ガソリン入れっぱなしで起こる劣化症状

では、実際にガソリンを長期間放置すると、どんな変化が起こるのでしょうか。

1. 酸化による変質

空気や光、温度の影響でガソリンは酸化していきます。すると:

  • 透明だったガソリンが黄色や茶色に変色
  • 特有の異臭(ツンとした酸っぱいような臭い)を放つ
  • 燃焼効率が低下し、エンジンがかかりにくくなる

この段階ではまだ燃料として使える可能性はありますが、性能は大きく落ちています。


2. ガム状物質の発生

さらに長期保存すると、ガソリン成分が化学変化を起こし、液化ゴムのようなベタベタした樹脂状物質を生成します。

この物質は:

  • 燃料タンクの内部にこびりつく
  • 燃料フィルターやインジェクターを詰まらせる
  • エンジンの燃焼室まで汚染する

ここまで劣化したガソリンは「もはや燃料ではなく、汚染物質」と言えるでしょう。


3. 腐食・漏れのリスク

最悪のケースでは、ガソリン劣化に伴う酸化生成物や水分が原因で、燃料タンク自体が腐食する可能性があります。

もしタンクがサビて穴が空けば、ガソリン漏れによる火災リスクにも直結します。


ハイブリッド車・PHEV特有の「ガソリン入れっぱなし問題」

燃費性能の高い車ほど、この問題は顕著になります。

ハイブリッド車の特徴

  • 走行の多くをモーターが担当するため、エンジン稼働が少ない
  • 結果として、給油サイクルが極端に長くなる
  • ガソリンを“動かさないまま”劣化させやすい

PHEVの特徴

  • 外部充電で日常走行の大半を電気でまかなえる
  • 「月単位で給油していない」なんてケースも普通
  • 車種によっては、ガソリンが劣化しないよう強制的にエンジンを回す仕組みを搭載

たとえばトヨタ・プリウスPHEVなどは、タンク内ガソリンの鮮度を保つために、定期的にエンジンを強制稼働させる「フューエルリフレッシュ機能」を持っています。これはまさに、ガソリン入れっぱなしによる劣化を防ぐ仕組みです。


ガソリンを長期保存するときの対策

「クルマにあまり乗らない」「PHEVで電気走行がメイン」――そんな場合に備えて、ガソリンの劣化を防ぐための方法を紹介します。

1. 定期的に走行して燃料を循環させる

月に1回でも30分程度走行すれば、タンク内のガソリンを循環させることができます。エンジンに新鮮なガソリンを送り込むことが劣化防止に効果的です。

2. ガソリン添加剤を活用する

市販の**燃料劣化防止添加剤(スタビライザー)**を使用することで、酸化やガム質生成を遅らせることが可能です。特に長期保管するクラシックカーや農業機械などでは一般的に使われています。

3. 満タン保存を避ける

タンクを満タンにして放置すると、気温変化で結露が発生し、水分混入のリスクが高まります。もし長期保存するなら7〜8割程度が理想です。

4. 劣化したガソリンは無理に使わない

変色・異臭があるガソリンを無理に燃焼させると、エンジントラブルや修理費用の増大につながります。ロードサービスや整備工場で安全に抜き取り処理を依頼するのがベストです。


実際のトラブル事例

  • 1年放置した車のケース
    始動できてもアイドリング不安定、黒煙、失火。燃料ポンプとインジェクター交換で修理費10万円超。
  • 3年以上放置したPHEV
    タンク内がドロドロに固まり、燃料ライン全交換。修理費はなんと30万円以上。

こうした事例を見ると、「ガソリン入れっぱなし=節約どころか大損」に直結することが分かります。


まとめ ― ガソリンを入れっぱなしにしてはいけない

ここまで解説してきたように、ガソリンは入れっぱなしにしておくと確実に劣化します

  • 保存の目安は 3か月程度
  • 劣化すると 異臭・変色・燃焼不良・タンク腐食 などを引き起こす
  • ハイブリッド車やPHEVは特に要注意
  • 定期走行・添加剤・適度な給油量で劣化を防ぐことができる

「燃費が良いから給油の回数が減った」というのは嬉しいことですが、その裏には「燃料の鮮度が落ちやすい」というリスクも潜んでいます。

クルマを長く大切に乗り続けたいなら、ガソリン入れっぱなしは避け、定期的に燃料を入れ替える習慣を持ちましょう。



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