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「なぜトヨタ車でカートリッジ型オイルフィルターが復活? エレメント交換式との違いとメリット・デメリットを徹底解説」2025.08.29
はじめに:なぜ今「カートリッジ型オイルフィルター」が注目されるのか?
最近、トヨタ車の新型モデルを中心に カートリッジ型オイルフィルター が復活しているのをご存じでしょうか?
かつて主流だったカートリッジ型は、環境問題の観点から「エレメント交換式」に取って代わられていました。
それなのに、なぜまた戻ってきたのか?
この記事では、 車種ごとの事例・交換手順・整備士やユーザーの体験談 を交えながら、
- カートリッジ型とエレメント交換式の違い
- それぞれのメリット・デメリット
- 復活の背景にある「整備性」と「環境負荷」のバランス
を徹底的に解説していきます。
1. オイルフィルターの役割とは?
エンジンオイルフィルターは、エンジンオイル内の 不純物や金属摩耗粉を濾過する部品 です。
1-1. フィルターの役割
- エンジン内部の摩擦によって出る金属粉をキャッチ
- 燃焼時に発生するスラッジを取り除く
- オイルの流れをクリーンに保ち、エンジンを長寿命化
まさに「人間でいう腎臓」のような存在。
もしフィルターがなければ、オイルが汚れたまま循環し、エンジンの摩耗や焼き付きの原因になります。
1-2. フィルターが詰まるとどうなる?
- オイル警告灯が点灯
- 燃費が悪化
- エンジンからの異音やパワーダウン
このように、オイル交換と同じくらい フィルター交換は重要 なのです。
2. カートリッジ型オイルフィルターとは?
2-1. 構造と仕組み
カートリッジ型は、金属ケースにフィルターが内蔵された一体型構造。
交換時にはフィルターごと丸ごと外して新品に取り替えます。
2-2. トヨタで採用されている例
- カローラクロス
- RAV4
- ハリアー(ガソリンモデル)
- プリウスの一部モデル
特にSUV系やファミリーカーで採用されていることが増えています。
2-3. 交換方法の流れ
- エンジン下部のオイルフィルター位置を確認
- カップレンチをフィルターにかぶせ、反時計回りに回して外す
- 新しいカートリッジ型フィルターをOリング付きで装着
- 規定トルクで締め付けて終了
作業自体はシンプルで、DIYでも比較的取り組みやすいのが特徴です。
3. エレメント交換式オイルフィルターとは?
3-1. 構造と仕組み
- ケース部分は再利用
- 中の濾紙(エレメント)のみを交換
- 専用工具でケースを外す必要がある
3-2. 採用例
- 日産キャラバン
- ホンダ フィット / フリード
- スバル レヴォーグ
- 輸入車(BMWやメルセデスベンツなど)
輸入車の多くは今もエレメント交換式が一般的です。
3-3. 交換方法の流れ
- 樹脂や金属製のケースを専用レンチで外す
- 中から濾紙エレメントを取り出す
- 新しいエレメントをセット
- Oリングを新品に交換して組み戻す
カートリッジ型よりも 工程が多く、ケースが固着していると難しい という声も多いです。
4. なぜ一度「エレメント交換式」に移行したのか?
4-1. 環境負荷の低減
金属ごと捨てるカートリッジ型に比べ、紙フィルターのみ交換するエレメント式は 廃棄物を削減。
環境に配慮した方式として、2000年代に急速に普及しました。
4-2. コストダウン
例えば日産キャラバンでは、従来3,000円近くした大型フィルターが、
エレメント式に変わると1,000円台で購入可能になり、ユーザーの負担も軽減されました。
5. それでも「カートリッジ型」が復活している理由
5-1. 作業性の改善
樹脂ケースのエレメント式は、固着して外れないケースが多発。
DIYユーザーだけでなく整備士にとっても大きな負担となっていました。
→ カートリッジ型なら「カップレンチで外すだけ」なので作業性が圧倒的に良い。
5-2. トラブル回避
エレメント式でケースが割れると、その時点で修理不能。
部品在庫がないとエンジンがかけられないというリスクがあります。
→ カートリッジ型なら部品ごと交換なので在庫問題も少なく安心。
5-3. 整備現場の声
実際にディーラー整備士の声として、
「エレメント式は環境には優しいけど、作業で苦労することが多い」
「ユーザー自身が交換しにくく、結局ディーラーに依存する」
といった意見が増えていました。
6. 実際のユーザー体験談
DIY派ユーザーの声
- 「カートリッジ型なら工具1つで交換できるから助かる」
- 「エレメント式は固着していて、ケースを壊してしまったことがある」
整備士の声
- 「トヨタがカートリッジ型に戻したのは現場目線だと思う」
- 「エレメント式の樹脂ケースは、熱で歪んで外せなくなることがある」
7. カートリッジ型とエレメント交換式の比較表
| 項目 | カートリッジ型オイルフィルター | エレメント交換式オイルフィルター |
| 交換のしやすさ | ◎ 初心者でも可能 | △ ケース固着で難易度高 |
| コスト | △ 高め | ◎ 安い |
| 環境負荷 | △ 金属廃棄あり | ◎ ゴミが少ない |
| 信頼性 | ◎ ケースごと新品 | △ ケース劣化のリスク |
| DIY向け | ◎ おすすめ | △ プロ向け |
8. 今後の主流はどちらになるのか?
トヨタを中心に カートリッジ型が再び増加 している一方で、
輸入車や日産・ホンダの一部モデルでは依然として エレメント交換式 が多い状況です。
将来的には、
- ガソリン車 → 整備性重視でカートリッジ型が増える可能性
- 輸入車・欧州系 → 環境重視でエレメント式が主流継続
という 二極化 が進むかもしれません。
まとめ:カートリッジ型オイルフィルター復活の理由
- 環境配慮で一度はエレメント交換式が主流に
- しかし作業性・トラブル防止の観点からカートリッジ型が復活
- トヨタ車を中心に整備現場の声を反映した採用が増えている
最終的に言えることは、
環境よりも「整備性と信頼性」を優先した結果、カートリッジ型が再び選ばれている ということです。








